贈与税は税務調査の対象?時効時期や非課税になるケースを解説!



他人から財産の贈与受けた場合には、一定のルールに従って贈与税を納税しなくてはなりません。



もし納税義務があるのに贈与税を納税しなかった場合には、税務調査として税務署の職員から連絡が入ることがあります。



今回は、贈与税の不納付で税務調査が行われる具体的なケースや、税務調査の結果として課せられる可能性があるペナルティについて解説させていただきます。



贈与税で税務調査がくることはある?






贈与税は国に対して納める国税ですので、納税義務があるのに納税をしない場合には税務署が税務調査に来る可能性があります。



一般的には税務調査は「とても大きな財産を持っている人だけが関係ある話」と思われがちですね。



しかし、金額的にそれほど大きくない事例であっても、税務調査が行われることは決して珍しいことではありません。



私が過去に相談を受けた例でも「まさかうちに来るとは思わなかった…」という感想を持たれる方がほとんどです。



特に、贈与税は相続税とも密接に関連する税金(相続税の節税対策として生前贈与が使われるケースが多いため)ですから、税務署も細かいところまで目を光らせているといえます。



以下では贈与税について税務調査が行われるケースについて、具体的に見ていきましょう。



税務調査の連絡はどんな風にくる?




税務調査は税務署からの電話連絡という形でスタートすることが多いです。



電話連絡の段階で「~月~日に贈与税の申告について確認させていただきたい時効があるのですが、ご都合の方はいかがでしょうか」といったようにていねいに日時の相談をされる場合が多いです(税務署の職員さんは基本的に腰がとても低い方が多いです)



確認したい取引の内容や、見せてほしい資料については事前に教えてくれますので、調査の日時までに準備しておくようにしましょう(必要であれば税理士への相談をしてください)



逆に言うと、映画でよく見るようなシーン(税務署職員がなんの予告もなくいきなり現れるような)はほとんどありません。



予告なく税務調査が行われるのは脱税の疑いが極めて高く、しかも脱税額がとても大きい場合に限られます。




贈与税の消滅時効時期




贈与税は、他の税金と同様に一定期間が経過した場合には消滅時効が成立します(つまり納付義務がなくなります)



贈与税の消滅時効の時期は、原則は6年間です。



ただし、意図的に納税をしなかったとみなされた場合には、1年間延長されて7年間が時効までの時期とされます。



つまり、納付時期から6年間が経過したタイミングで税務調査が行われたような場合には、消滅時効は成立せずに納付の義務があることになるわけですね。



税務署は非常に細かいところまで見ていますので、基本的に消滅時効の成立は期待できないのが実情です。



私が実際に相談を受けた例でも、贈与税の消滅時効のケースはほとんど見たことがありません。



税務調査の結果ペナルティが課せられる場合






贈与税の税務調査が行われた結果、申告納税の義務があるのに納税されていなかったことを指摘された場合には、本来納める税額(本税)とは別に延滞税や加算税を課せられる可能性があります。



延滞税は納付期日から2か月の期間については年利率2.6%、それ以降の分については年利率8.9%の割合で計算します。



例えば、本税の金額が100万円で、10か月間の延滞があった場合の延滞税の負担は以下のようになります。



本税100万円、延滞期間10カ月の場合の延滞税の負担

  • 100万円×2.6%×2か月間÷12か月間=4333円
  • 100万円×8.9%×(10か月間-2か月間)÷12か月間=5万9333円
  • 4333円+5万9333円=6万3600円(百円未満は切り捨て)




  • 延滞の期間が長くなるほど延滞税の負担は大きくなってしまうので注意してください。



    また、延滞税とは別に、罰則としての意味合いがより強い加算税(過少申告加算税や、無申告加算税、重加算税などがあります)が課せられてしまうケースもあります。



    私が相談を受けた例では贈与税について重加算税を課されるケースは見たことがありませんが、無申告加算税や過少申告加算税については適用されることはよくあります(無申告加算税の割合は15%~20%、過少申告加算税の割合は10%~15%です)



    贈与税の納付が必要ないケース




    ここまで贈与税の納付についての基本的なルールと、納税義務があるのに納税をしなかったペナルティについて解説させていただきました。



    一方で、次のようなケースでは贈与税の納税が必要ないことがあります。




    贈与税の申告が必要ないケース

  • ①年間110万円までの贈与
  • ②仕送りなどの場合
  • ③配偶者への贈与(おしどり贈与)
  • ④住宅取得資金の贈与
  • ⑤教育資金の贈与
  • ⑥結婚や子育て資金の贈与




  • ただし、これらの特例を適用した結果として贈与税が0円となる場合にも、その計算根拠について示すために税務署への申告は必要です。



    以下、順番に説明させていただきます。



    ①年間110万円までの贈与




    贈与税の計算式は「年間で贈与を受けた財産の合計額-110万円」で計算されますから、必然的に110万円未満の贈与については贈与税が発生しないことになります。




    ②仕送りなどの場合




    親などの扶養義務者から生活費や学費に充てるために受け取った仕送りについては、贈与税がかかりません(相続税法21条の3第1項)



    ただし、当事者間では「仕送り」の名目で渡された財産であっても、一般常識で考えて大きすぎる金額の場合には贈与税が課税される贈与とみなされる可能性があります。




    ③配偶者への贈与(おしどり贈与)




    婚姻期間が20年以上の夫婦間で、実際に居住するための不動産を購入する資金として渡された贈与については、2000万円の控除が適用されます。



    つまり、通常の控除と合算で、2110万円以内なら贈与税が発生しません。



    ただし、ここでいう夫婦は法律上の夫婦(内縁関係ではなく、婚姻届けを提出した相手どうし)である必要があります。



    また、購入する不動産は日常的に居住する住居としてのものに限られるため、別荘を購入するための資金などの場合にはこの控除は適用されないのにも注意しなくてはいけません。



    ④住宅取得資金の贈与




    上では配偶者への住宅資金贈与の特例について解説させていただきましたが、子供や孫に対して住宅取得資金の贈与を行う場合にも、贈与税の控除を受けることができます。



    この場合には1人当たり700万円(認定長期優良住宅に該当する場合には1200万円)の控除を受けることができます。



    こちらも同様に別荘などは適用除外で、現実に居住する住居でなくてはならないことに注意してください。




    ⑤教育資金の贈与




    最近利用が増えているのがこの教育資金の贈与です(相続税対策としても使われることが多いです)



    30歳未満の子供や孫に対して学費などの教育費を渡す場合には、1500万円の控除を受けることができるというものです(渡す相手が他人の場合は適用除外です)



    なお、この特例には30歳までに受け取った教育資金を使い切らなくてはならないほか、金融機関に贈与専用の個人口座を開設し、領収書を銀行に提出しなくてはならないなどの条件があるので注意が必要です。



    もし30歳の時点で使い切っていないお金が残っている場合には、その残っている金額に対して贈与税が課税されます。



    ⑥結婚や子育て資金の贈与




    20歳以上50歳未満の子供や孫に対して、結婚や子育ての資金を贈与した場合には、1人当たり累計1000万円の贈与税の控除を受けることができます(結婚費用だけの場合には300万円が上限です)



    こちらも専用の銀行口座を開設し、領収書を金融機関に提出するなどの条件があるので注意していください。




    まとめ




    以上、贈与税を納付をしなかった場合に行われる可能性がある税務調査について、具体的なケースを想定しながら解説させていただきました。



    税務調査はある日なんの前触れもなく突然やってきますので、納税期限が過ぎても何の連絡もないから安心…ということはないので注意してください。



    ただし、すべての贈与で贈与税が発生するわけではありません(特に親族間の贈与については例外的なケースが多いです)



    本文で解説させていただいた内容を参考に、納税義務が発生するケースと非課税になるケースを正しく理解しておいてくださいね。


    コメントを残す

    サブコンテンツ

    このページの先頭へ