贈与税は親子間でもかかる?仕送りなど非課税になる事例を解説!



贈与税は親子間で行われた財産の贈与にも課税される税金です。



ただし、親子間というのは社会通念上、財産の移転が行われることは少なくないので、通常の場合(つまり他人同士の場合)とは異なったルールが適用されることがあります



今回は、親子間で贈与が行われた時の特別なルールの内容について解説させていただきます。



贈与税は親子間でも発生する?






原則的には、親子間で行われた贈与についても贈与税は発生します。



もし納税義務があるのに贈与税の申告や納付を行わなかった場合には、延滞税や加算税といったペナルティを課せられる可能性がありますから注意が必要です。



また、親子間の贈与は省ら提起に発生する見込みの相続税の対策として行われるケースが多いため、過去に行われた贈与が後になってから問題になるケースが少なくありません。



実際に私が相談を受けた例でも、相続が生じたタイミング(つまり親族が亡くなった時)に、相続税の税務調査に合わせて贈与税の納付漏れを指摘されたケースがありました。



親子間での贈与については、より慎重に納税義務の有無について判断する必要があるといえます。



贈与税の基本ルール






贈与税がどのような場合に発生するのかについて基本的な計算方法を理解しておきましょう。



贈与税の金額は、以下の2つの計算式で計算します。




  • ①贈与税=課税価格×贈与税率
  • ②課税価格=贈与された財産-110万円




  • 贈与された財産とは、1年間で贈与を受けた財産の合計額です。



    なので、必然的に年間で110万円を超えない贈与については非課税ということになりますね。



    また、贈与税率は課税価格の金額によって異なります。



    例えば、課税価格が200万円以下の場合は贈与税率は10%、200万円超~300万円以下で15%というように決まっています(贈与税の最大税率は課税価格4500万円超の場合で55%です)




    親子間でも贈与税が問題となる具体的なケース




    上で、贈与税は親子間であるか他人間であるかにかかわらず発生すると説明させていただきました。



    親子間での財産の贈与は社会通念上珍しいことではありませんから、他人間の贈与とは異なるルールが適用されるケースが少なくありません。



    実際、私が過去に受けた贈与税に関する相談のほとんどが、親子間での贈与についてのものです(日本では他人同士で贈与をしあうケースが少ないという事情もありますが)



    例えば、次のようなケースでは通常の場合(つまり他人同士の取引)と親子間の取引とで、贈与税について異なる扱いをされる可能性があります。




  • ①仕送りなどの贈与の場合
  • ②不動産の贈与と相続時精算課税制度
  • ③土地をただで使用させる場合(使用貸借)
  • ④住宅をただで使用させる場合(使用貸借)
  • ⑤貸したお金を免除する場合




  • 以下では親子間での贈与に特別に適用される贈与税計算のルールについて解説させていただきます。


    ①仕送りなどの場合

    大学に通うために遠方で一人暮らししている子供に仕送りを送るなどのように、生活費を支援するために財産を贈与する場合には、贈与税が課税されません。



    法律上、親族同士は扶養義務があるとされているので、通常生活していくために必要なお金を渡すために行われた贈与には贈与税が課税されないのです。



    ただし、一般的に考えて大きすぎる金額を仕送りしたような場合には、贈与税の対象となる可能性が高いです。



    例えば、大学生の子供に1か月で百万円以上のお金を渡すような場合には贈与税が発生する可能性が高いです。



    ②不動産の贈与と相続時精算課税制度




    通常、親子間であっても不動産を贈与した時には贈与税が発生します。



    しかし、親子間の不動産の贈与については相続時精算課税制度という特別のルールを適用してもらうことができます。



    相続時精算課税制度とは、ごく簡単に言うと、2500万円までの贈与であれば税金の計算を将来的に相続が発生した時(つまり親が亡くなった時)までまってもらえる制度のことです。



    例えば、1000万円の不動産を親が子に贈与したとして、そのときに相続時精算課税制度を選択しなかったときには「(1000万円-110万円)×贈与税率」で計算した贈与税を払う必要があります。



    一方で、相続時精算課税制度を選択しておくと、この1000万円の贈与については非課税で、将来的に相続が発生した時に相続財産に1000万円をプラスし、相続税の計算を行うことになります。




    相続時精算課税制度を選択する意味




    なぜこんなことをするかというと、贈与税と比べると相続税の方が1回あたりの非課税枠が大きいからです。



    贈与税の非課税枠は年間110万円ですが、相続税の場合は3000万円+600万円×法定相続人数の金額が非課税枠となります。



    相続が発生するまでかなり時間があると思われる場合(つまり親がまだ若いとき)には、例えば毎年110万円の贈与を30年間継続すれば3300万円の節税効果を得ることができます。



    一方で、相続が近いと思われる場合には、相続時精算課税制度を利用したほうが、1回あたりの非課税枠が大きい相続税の特徴を生かせることになります。



    ただし、相続時精算課税制度を選択するべきか否かについては慎重な判断が必要ですから、必ず税理士などの専門家に相談するようにしてください。



    ③土地をただで使用させる場合(使用貸借)




    他人同士の場合には、自分の土地を貸してその上に建物を建てさせてあげるときには、土地の使用料として借地権を設定し、対価として土地の所有者がお金を受け取るのが普通です。



    しかし、親が持っている土地に子供が建物を建てるような場合には、土地の使用料(借地権)については無償とする(使用貸借とする)ことは珍しくないでしょう。



    このような場合には、実質的には贈与があったものとみなされます。



    本来、借地権のためにお金を払うべきところを無料でよいとしてもらった子供は、その借地権と同じ金額の財産を贈与されたのと実質的に同じだからです。



    このときの贈与税の計算は、同じ地域、同じ広さの土地の借地権、がどのぐらいの値段で取引しているかを参考にして計算することになります。




    ④住宅をただで使用させる場合(使用貸借)




    自分が持っている賃貸アパートを他人に貸し与えるときには、家賃を徴収するのが普通ですよね。



    しかし、親族に部屋を貸してあげるときには、無償や格安の家賃としてあげることもあるでしょう。



    このような場合にも、実質的に贈与があったものとみなして、贈与税が課税される可能性があります。



    例えば、通常は家賃20万円程度とみられる物件にタダで済んでいるという場合であれば、年間で20万円×12か月=240万円を贈与されたとみなされる場合があるのです。



    ただし、親が法人の名義で不動産投資の対象としているような物件の場合には、子が無償でその物件に住むことは、現物給与として所得税が課税されるケースもあります。



    ⑤貸したお金を免除する場合




    法律上、貸したお金を「もう返さないでいいよ」と意思表示することを債務免除といいますが、この債務免除は実質的に贈与と同じです。



    例えば、現金200万円を贈与するのと、以前に貸した現金200万円をもう返さないでいいとしてもらうのは、贈与を受けた側(お金を借りた側)にとっては経済的効果が全く同じだからです。



    ただし、債務免除を行ったのが親子間である場合で、子供が返せなくなった他人への借金を親が立替え払いし、そのお金について返さないでいいとした場合には、生活費の贈与として贈与税ががかからないことがあります。



    債務免除については他人間の取引と違った判断となる可能性がありますので注意しておきましょう。




    まとめ




    今回は、親子間で贈与が行われた場合の贈与税の負担について解説させていただきました。



    遺産相続については相続税が生じることはよく知られていますが、贈与については意外な盲点となっていることが珍しくありません。



    私が過去に関わった事例でも、将来の相続税対策のために贈与をしたのに贈与税がかかるなんて…と、想定外の負担が生じてしまい相談に来られることが多いです。



    相続税対策として生前贈与を検討している方も、親子間での贈与税に関する基本的なルールについては理解しておいてくださいね。


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