税金の控除、全種類をまとめて解説!確定申告で節税しよう

税金の控除の種類


2月に入ると確定申告の時期が近づいてきます。個人事業主にとっては悩みのタネですよね。



でも、確定申告は個人事業主だけに関係あるものではありません。一企業の会社員でも、確定申告をすることはできます。



「自分は会社で年末調整したから大丈夫!」と思っているあなた、確定申告には年末調整には無い、様々な種類の控除があることをご存知でしたか?



確定申告における各種控除を把握しておかないと、知らないうちに損をすることになるかもしれません。



それは個人事業主も同様です。収益計算ばかりに集中して、本来利用できる控除を見落としている可能性があります。



そのようなことがないように、事前にしっかりと確定申告で利用できる控除の種類を確認しておきましょう!







会社員でも節税できる!




会社員でも確定申告をすることで節税ができる可能性があります。



年末調整で所得税がすでに還付されていても、あなたが利用できるすべての控除が適用されているとは限らないのです。



例えば、医療費控除や住宅ローン控除(初年度)は確定申告でしか控除を利用することができません。



ですから、個人事業者はもちろんのこと、会社員であっても確定申告の基礎知識を身につけておく必要があります。



確定申告というと難しいイメージがありますよね。でも大丈夫です!



この記事で確定申告で利用できる控除について、わかりやすく説明していきます。



所得控除と税額控除の違いとは?




一口に控除と言っても、控除には大きく分けて所得控除と税額控除の2つが存在します。



各種控除の説明に入る前に、その違いについて説明しておきます。



所得控除?税額控除?文字だけ見ても違いがわかりにくいですよね。



そもそも所得税の計算はどのようにされるのか?そこから考えると理解しやすいと思います。



所得税は簡単に言うと、次の計算式で算出されます。



( 収入-必要経費-青色申告特別控除額-所得控除 )×所得税率-税額控除=所得税額

※ここで言う必要経費は個人事業主のみ控除できます。会社員は適用できません。

※青色申告特別控除額は個人事業主や、給与以外の収入がある会社員のみ適用できます。適用を受けるためには、別途届出書を税務署に提出する必要があります。


要するに、所得控除と税額控除の違いは下記の通り説明できます。



  • 所得控除は収入額から控除される
  • 税額控除は所得税率を乗じて算出された金額から控除される


  • 所得控除の金額は、控除の金額がそのまま税金からマイナスされる訳ではないということです。



    一方税額控除は、控除の金額がそのまま税金からマイナスされるイメージです。



    この違いを知っておかないと、思っていたより税金が高い!というショックを受けることになります。しっかり覚えておきましょう。



    所得控除全14種類を一挙解説




    所得控除徹底解説


    確定申告で利用できる控除は、多くは所得控除に属します。控除の種類は全部で14種類です。



    ここからは、それぞれの控除の特徴を説明していきます。



    まずは一覧表で所得控除の種類と、簡単な内容を把握しておきましょう。



    所得控除一覧表




    控除の種類 簡単な内容の説明と控除金額
    基礎控除 誰にでも適用される控除
    一律38万円
    配偶者控除 控除の対象となる配偶者がいる場合に適用される控除
    一般的には38万円(70歳以上は48万円)
    配偶者特別控除 配偶者控除の適用がうけられない場合で、一定の要件を満たした場合に適用される控除
    配偶者の所得に応じ、3万円~38万円
    扶養控除 扶養家族がいる方に適用される控除
    一般的には38万円
    寡婦控除・寡夫控除 夫または妻と離婚・死別した場合に適用される控除
    一般的には27万円
    医療費控除 1年間で支払った医療費が10万円を超える場合に適用される控除。平成29年より特例が新設
    万円
    社会保険料控除 社会保険料の支払額に適用される控除
    その年に支払った社会保険料の額がそのまま控除額となる
    生命保険料控除 生命保険料の支払いがある場合に適用される控除
    生命保険料の金額のうち、最高で12万円までが控除額となる
    地震保険料控除 地震保険料の支払いがある場合に適用される控除
    支払った地震保険料の金額のうち、最高で5万円までが控除額となる
    寄附金控除 一定の機関に寄付をした場合に適用される控除。ふるさと納税はここに当てはまる。税額控除との選択が可能
    勤労学生控除 納税者本人が勤労学生の場合に適用される控除
    控除額は27万円
    障害者控除 納税者、または配偶者や扶養家族が障害者に該当する場合に適用される控除
    一般的には27万円
    小規模企業共済等掛金控除 一定の共済の掛金等の支払いがある場合に適用される控除
    その年に支払った掛金の額がそのまま控除額となる
    雑損控除 災害や盗難等により損害を受けた場合に適用される控除
    損失の額に応じて控除額は変動

    基礎控除




    基礎控除とは、全ての人に適用される控除です。特別な要件等はありません。



    基礎控除の金額は所得税と住民税で変わります。



    所得税の控除額は38万円、住民税の基礎控除の金額は33万円となります。



    配偶者控除




    配偶者控除とは、控除対象配偶者がいる納税者に適用される控除です。



    控除対象配偶者とは、次の4つの要件に該当する配偶者を指します。



  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
  • 納税者と生計を一にしていること。
  • 年間の合計所得金額が38万円以下=年間給与収入が103万円以下であること。
  • 専従者給与を受けていないこと。


  • 配偶者控除の金額は、一般的には38万円です。ただし、配偶者が70歳以上の場合のみ、控除額は48万円となります。



    ただし平成30年分から、納税者本人の所得が900万円を超える場合には、その所得に応じて控除額が変動することとなりました。



    配偶者特別控除




    配偶者控除と名称が似ているので紛らわしいと思いますが、こちらは配偶者「特別」控除といいます。



    配偶者控除の上限である所得38万円を超えてしまっても、配偶者特別控除の要件に該当すれば、一定の控除を受けることができます。



    配偶者特別控除は、次の要件に該当する場合に適用されます。


    (1)納税者本人の所得金額が1000万円以下であること。
    (2)配偶者が、次の5つの要件すべてに該当すること。
  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
  • 納税者と生計を一にしていること。
  • 専従者給与を受けていないこと。
  • 他の人の扶養親族となっていないこと。
  • 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。


  • ただし、平成30年分以後は、配偶者の年間の合計所得金額が38万円超123万円以下であることが要件になります。



    扶養控除




    扶養控除とは、控除対象となる扶養親族がいる場合に適用される控除です。



    扶養親族は、次の4つの要件すべてに該当する人を指します。


    (1) 配偶者以外の親族または里子等であること。
    (2) 納税者と生計を一にしていること。
    (3) 年間の合計所得金額が38万円以下=年間給与収入が103万円以下であること。
    (4) 専従者給与を受けていないこと。


    なお、上記は「扶養親族」に該当するか否かの要件です。



    所得税の「控除対象扶養親族」に該当するのは、16歳以上であるということにご注意ください。



    続いて控除金額です。金額は控除対象扶養家族の年齢等によって変わります。


    一般の控除対象扶養親族(16歳以上)・・・38万円
    特定扶養親族(19歳以上23歳未満)・・・63万円
    老人扶養親族(70歳以上)
  • 同居の場合・・・58万円
  • 同居以外の場合・・・48万円


  • 寡婦控除・寡夫控除




    「寡婦」または「寡夫」という言葉は聞きなれないかもしれません。簡単に言うと、配偶者と離婚または死別した人を指します。



    まず、寡夫の方から説明します。こちらは男性側ですね。



    寡夫控除を受けるためには、次の3つの要件すべてに該当する必要があります。


    (1) 合計所得金額が500万円以下であること。
    (2) 妻と死別または離婚した後婚姻をしていないこと。(妻の生死が明らかでない場合を含む)
    (3) 生計を一にする子がいること。(所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていない場合に限る。)


    寡夫控除の金額は、一律27万円です。



    次に寡婦について説明します。こちらは女性側です。



    寡婦の場合は男性側と違い、「一般の寡婦」と「特別の寡婦」の2種類があります。



    それぞれの控除金額は次の通りです。


    一般の寡婦・・・27万円
    特別の寡婦・・・35万円


    一般の寡婦、特別の寡婦ともに要件があります。それぞれ説明していきます。



    まずは寡婦控除から。寡婦控除を受けるためには、次の2つの要件のいずれかに該当する必要があります。


    (1) 夫と死別または離婚した後婚姻をしていない人(夫の生死が明らかでない場合を含む)で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人(所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限る)
    (2) 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない人のうち、合計所得金額が500万円以下の人


    一方特別の寡婦は、一般の寡婦に該当したうえで、次の要件の全てを満たす必要があります。


    (1) 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人(夫の生死が明らかでない場合を含む)
    (2) 扶養親族である子がいる人
    (3) 合計所得金額が500万円以下であること


    医療費控除




    医療費控除は、納税者本人、その配偶者や扶養親族のために支払った医療費が、年間10万円を超える場合に適用できます。



    ただし、美容整形や保険金等で補填された金額は医療費控除の対象外です。



    なお、平成29年よりセルフメディケーション税制が施行されました。



    セルフメディケーション税制は、今まで医療費控除の対象とならなかった一定の医薬品の購入費用が控除の対象となるものです。



    こちらは1万2000円を超える支出があれば適用できるため、あなたも控除の要件に該当するかもしれません。



    ただし、医療費控除・セルフメディケーション税制ともに、領収書の保存が必要要件となります。領収書は捨てることなく、保存しておくように気をつけましょう。



    社会保険料控除




    社会保険料控除とは、その年に支払った社会保険料の金額が対象となります。



    上限はなく、支払った金額がそのまま所得から控除されます。



    なお、過去分や未来分の社会保険料をその年にまとめて支払った場合も、その支払い金額のすべてが控除の対象となります。



    社会保険料とは、健康保険、国民健康保険、厚生年金、国民年金保険、介護保険、雇用保険等のことを言います。



    会社員であれば、健康保険・厚生年金・雇用保険に加入しているのが普通です。



    ですからこれらの金額は年末調整で控除されている場合が多く、その場合は確定申告で控除の適用を受けることはできません。



    個人事業主の場合は、自分で国民健康保険、国民年金を支払っていると思いますので、確定申告ですべて控除することとなります。







    生命保険料控除




    生命保険料控除は、その年中に支払った生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料がある場合に適用される所得控除です。



    生命保険料控除は、実際に保険料を支払っている人が控除の対象になります。



    例えば、妻名義で契約した生命保険料を夫が支払っている場合は、夫が控除の対象になります。



    生命保険料控除は支払い金額がそのまま控除額となるわけではありません。



    また、生命保険には新制度と旧制度があり、直感的にわかりにくくなっています。



    各ケースの控除額については次のそれぞれの表を参考にしてください。



    (1)新制度の生命保険料(平成24年1月1日以後の契約)

    年間の支払保険料 控除額
    20,000円以下 支払保険料の全額
    20,001円~40,000円以下 支払保険料×1/2+10,000円
    40,001円~80,000円以下 支払保険料×1/4+20,000円
    80,000円超 40,000円



    (2)旧制度の生命保険料(平成23年12月31日以前の契約)

    年間の支払保険料 控除額
    25,000円以下 支払保険料の全額
    25,001円~50,000円以下 支払保険料×1/2+12,500円
    50,001円~100,000円以下 支払保険料×1/4+25,000円
    100,000円超 50,000円



    (3)新制度と旧制度の両方に加入している場合

    適用する生命保険料控除 控除額
    新制度のみ適用する場合 (1)に基づいて計算した金額
    旧制度のみ適用する場合 (2)に基づいて計算した金額
    新制度と旧制度を両方適用する場合 (1)と(2)それぞれの金額の合計額。ただし、上限4万円



    上記の表で計算した金額の合計額が生命保険料控除額となります。ただし、その上限は12万円と決まっています。



    地震保険料控除




    地震保険料控除は、その名のとおり地震保険料の支払額に適用される控除です。



    5万円を上限として、その年に支払った地震保険料の金額が控除金額となります。



    なお、火災保険は通常は地震保険料控除の対象とはなりませんが、火災保険のうち地震による損害も補償の対象に含まれる商品の場合は、地震に係る部分の金額が控除の対象となります。



    寄附金控除




    国・地方公共団体や特定公益法人等に対して寄附金を支払った場合に適用される控除です。



    控除金額は、次のいずれか低い金額から、2,000円を控除した額となります。


    1.その年に支出した特定寄附金の額の合計額
    2.その年の総所得金額等の40%相当額


    近年話題となっているふるさと納税もこの寄附金控除に該当します。



    なお、寄附金控除を受けるためには寄附を証明する領収書等が必要となります。しっかり保管しておくようにしましょう。



    寄附金控除に限り、税額控除とどちらか好きな方を選択することができます。



    どちらが得かの判断は非常に難しいのですが、一般的に高所得者で、寄附金の額も少なくない場合は税額控除の方が得になる場合が多いと言われています。



    判断に迷った場合は、税理士に相談することを考えてみてもいいかもしれません。



    勤労学生控除




    学校に通いながら仕事をしている人が対象となる控除です。



    ただし、所得が65万円を超える場合は対象外となるので注意が必要です。



    控除金額は一律27万円です。



    障害者控除




    障害者本人や、障害者である扶養親族がいる人が対象となる控除です。



    扶養控除は16歳以上が対象ですが、障害者である扶養親族は16歳未満でも障害者控除の対象となる点に注意が必要です。



    控除金額は、障害の程度によって下記のように変わります。


  • 障害者・・・27万円
  • 特別障害者・・・40万円
  • 同居特別障害者・・・75万円


  • 小規模企業共済等掛金控除




    小規模企業共済等掛金控除は、その年中に支払った小規模企業共済や確定拠出年金の掛金の額に適用される控除です。



    小規模企業共済は会社員には馴染みが少ないかもしれませんが、加入している個人事業主は多くいます。



    簡単に言うと、個人で積み立てる退職金のようなイメージです。



    控除金額は、その年に支払った掛金の金額すべてが対象となります。



    雑損控除




    災害や盗難等によって損害を受けた場合に適用できる控除です。



    納税者本人だけでなく、控除対象扶養親族が被害にあった場合にも適用されます。



    控除金額は被害にあった金額によって変動し、一定の式により算出されます。



    税額控除、主な控除の解説




    税額控除の種類


    続いて税額控除の説明をしていきます。税額控除は大きく分けて8種類ありますが、多くの人に関係してくるものは住宅取得控除と寄附金控除くらいでしょう。



    まずは一覧表でどのような種類があるか確認しておきましょう。



    税額控除一覧表




    控除の種類 簡単な内容の説明
    住宅借入金特別控除
    (住宅ローン控除)
    住宅ローンを利用して住宅を購入した場合や、増改築を行った場合に適用される
    居住者に係る外国税額控除 日本の居住者が、国外における所得を有する場合に適用される
    非居住者に係る外国税額控除 国内に事業所等を有する非居住者が、国内における所得を有する場合に適用される
    配当控除 配当所得がある場合に適用される
    寄付金控除 一定の寄附金を支払った場合に適用される。所得控除とどちらを選ぶか選択可能
    試験研究費に係る控除
    特別試験研究に係る税額控除
    試験研究のために要した費用がある場合に適用される
    雇用者数の増加に係る控除 個人事業主が、前年比5人以上雇用した場合等に適用される
    給与支給額が増加した場合の控除 個人事業主が支払った給与額が増加した場合に適用される



    住宅ローン控除




    住宅ローン控除は、正確には住宅借入金特別控除といいます。



    その名の通り、住宅ローンを利用して住宅を取得したり、増改築を行った場合に適用されます。



    控除金額は次の式によって計算されます。


    年末の住宅ローン残高×1%=控除金額


    住宅ローン控除は税額控除であるため、その金額がダイレクトに所得税額からマイナスされます。



    例えば5,000万円の住宅ローンを組んだ場合、50万円所得税が安くなるということです。



    ただし、住宅ローン控除が適用される期間は10年間と決まっています。



    また、住宅ローン控除の適用を受けるためには、適用初年度に確定申告をする必要があります。



    2年目以降は年末調整で適用できるのですが、この点には注意が必要です。



    寄附金控除




    これは所得控除の項目で説明した寄附金控除と同じものです。



    寄付金控除に限り、所得控除と税額控除、どちらを選択してもいいようになっています。



    どちらを選択するのが有利なのか、気になりますよね?



    これは所得金額や寄附金額によって変わるため一概には言えないのですが、一般的には高所得者で寄附金の額も少なくない場合には税額控除の方が有利と言われています。



    その他の税額控除




    その他の税額控除にも簡単に触れておきます。



    まずは配当控除、これは株式投資等を行っている場合には適用対象となる場合があります。



    配当金は元々源泉徴収された金額で入金されるので、本来確定申告をする必要はありません。



    ただし、様々な複合的な要素を加味すると、改めて確定申告した方が特になる場合があるのです。



    どの方式が一番得になるか、その計算は複雑です。



    多額の配当金収入がある場合は、税理士に相談することを考えてみてもいいかもしれません。



    その他、国外で収入を得ている場合に適用される外国税額控除や、従業員を雇用している個人事業主に関係してくる雇用関係の税額控除等があります。



    これらについても適用対象になるかどうか、判断が難しいところがあります。税理士に相談してみるのも手段のひとつでしょう。



    以上、長くなりましたが所得税の控除の種類について一通り説明してきました。



    最初にお話した通り、これらすべてを覚える必要はありません。あなたに関係しそうな控除について頭に入れておけばそれで十分です。



    各種控除は税金の負担を軽くするため、国が用意した制度です。もし対象になるものがあれば、積極的に活用して節税しましょう!



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