税金の種類を一覧で解説!個人事業主や法人が納める必要があるものは?




税金って種類がいろいろあってややこしいですよね。



ある日突然「納税ができていません」なんて通知がきてびっくりした!なんて経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。



ここでは、誰がどのような場合にどのような税金を納めないといけないのか?について解説しますので、参考にしてみてください。




税金の種類一覧表



税金の種類と、納める義務がある人を一覧でまとめると以下の表のようになります。




  • 所得税:サラリーマンや個人事業主
  • 消費税:個人事業主と法人企業
  • 法人税:法人企業
  • 事業税:個人事業主と法人企業
  • 源泉所得税:従業員を雇う法人企業(負担は従業員)
  • 市民税:すべての個人と法人
  • 贈与税:財産の贈与を受けた人
  • 相続税:財産を相続した人
  • 自動車税:自動車を所有している人
  • 不動産取得税:不動産を取得した人
  • 登録免許税:不動産の登記をする人
  • 固定資産税:不動産を所有している人
  • 延滞税:期限までに税金を納めなかった人
  • 無申告加算税:期限までに申告を行わなかった人
  • 過少申告加算税:納めた税金の額が少なかった人
  • 不納付加算税:期限までに税金を納めなかった人
  • 重加算税:財産隠しなどが税務調査によって明らかになった人




  • 個人事業主が納める税金





    個人事業主として仕事をしている人が納める義務がある税金について、計算方法や納税方法などについて具体的に見ていきましょう。



    なお、ここでいう個人事業主というのは、企業に所属せず、フリーランスとして仕事をしている人のことを言います。


    所得税




    必ずしも個人事業主に限りませんが、個人として所得(もうけ)を得ている人は所得税を負担しなくてはなりません。



    所得は「どのような形で収入を得たか」によっていろんな種類に分類されます。



    例えば、サラリーマンとして企業からお給料をもらった人は給与所得、個人事業主として仕事をした人は事業所得を得ていることになります。



    また、賃貸アパートを経営している大家さんは不動産所得を得ていますし、年金で生活している人の所得は雑所得という種類の所得に該当します。



    所得税の計算では、これらのさまざまな種類の所得を合算して計算するのが原則となります(株式投資で得た所得など、例外的に個別に計算する種類の所得もあります)


    個人事業主は事業所得として所得税を負担する




    上でも少し説明させていただきましたが、個人事業主として仕事をしている人は事業所得として所得を得ていることになります。



    事業所得は、以下の計算式で計算します。



    事業所得=①総収入金額-②必要経費-③青色申告特別控除額



    それぞれの言葉の意味について理解しておきましょう。


    ①総収入金額とは



    総収入金額というのは簡単に言うと売上高のことですが、メインの事業からの収入だけではなく、付随的な収入も雑収入として総収入金額に含める必要があるので注意してください。



    ②必要経費とは



    必要経費というのは、事業で収入を生み出すために支出した費用のことです。



    計算式を見ると明らかなように、必要経費がたくさんあるほど事業所得は小さくなりますから、負担する税金は少なくて済むことになります。



    ただし、必要経費を事業所との計算に含めるためには「この経費を支払ったからこの売上が立った」ということを説明できなくてはなりません。



    例えば、得意先の担当者を接待するために食事に行った場合には接待交際費として必要経費に含めることができます。



    しかし、家族や友人と食事に行った時の食事代は事業と関連がないので必要経費に含めることはできないことになります。



    ③青色申告特別控除額とは



    青色申告特別控除額とは、青色申告の形で確定申告をする個人事業主が利用できる節税方法です。



    具体的には年間の事業所得から65万円を差し引きしてもらえるというもので、それだけ所得が少なくなりますから税金の負担も小さくなります。



    青色申告特別控除を利用するためには、税務署に個人事業の開業届を出すときに「青色申告承認申請書」という書類を提出し、会計ソフトなどを使って簿記のルールに従って経理処理をしていることが条件になります。



    所得税の計算式




    上で、「所得税の計算では、さまざまな種類の所得を合算して計算する」という説明をさせていただきました。



    具体的には、所得税は以下の計算式で計算することになります。



    (①所得の合計額-②所得控除)×③税率×④税額控除



    ここでも言葉の意味について簡単に理解しておきましょう。



    ①所得の合計額



    事業所得、給与所得、雑所得…といったように、さまざまな種類ごとに計算した所得の合計額をいいます。



    個人事業主として仕事をしている人は事業所得の金額ということになりますが、事業のほかにサラリーマンとしての仕事もしているという人は給与所得、賃貸アパート経営もやっているという人は不動産所得も計算して合算する必要があります。



    ②所得控除



    所得控除というのは、納税をする人それぞれの家庭事情に応じて所得を減らしてもらえる(それだけ税金が安くなる)ルールのことです。



    例えば、まったく同じ収入、同じ年齢の人であっても、独り身の人と専業主婦の奥さんや子供を扶養しているという人とでは生活の負担が全く違いますよね。



    所得税の計算ではこのような両者で不公平感が生じないように、生活の負担が大きい人に対しては税金の負担も小さくなるような仕組みになっているというわけです。



    具体的には収入のない配偶者がいる人は配偶者控除、医療費をたくさん支出した人は医療費控除といったようなものが認められます。



    ③税率



    所得税は「たくさん稼いでいる人ほど、高い税率がかけられる」という仕組み(これを累進税率といいます)になっています。



    いくら稼いだ時にいくらの税率が適用されるか?は法律で決まっています。



    例えば、所得が195万円以下の人は5%、195万円~330万円以下の人であれば10%といった具合です。



    ④税額控除



    税額控除は所得控除とよく似た制度ですが、所得控除が「控除額×税率」の控除額になるのに対して、税額控除は「控除額がそのまま」税金から差し引きされるという違いがあります。



    当然、所得控除よりも税額控除のほうが節税効果が高い方法ということができます。



    税額控除として代表的なものとしては、住宅ローンを組んでマイホームを購入した人が利用できる住宅ローン控除や、特定の団体に対して寄付を行った人が利用できる寄付金控除などがあります。





    消費税




    個人事業主の人と法人企業は、一定の条件を満たす場合には消費税の納税をしなくてはなりません。



    一定の条件というのは、具体的には「2つ前の事業年度の課税売上高が1000万円を超えた場合」です。



    ※なお、課税売上高というのは消費税がかかる売上のことで、国内で事業をしている人の場合はほとんどの売上が課税売上高ということになります(例外は輸出売上や居住用不動産の賃貸収入など)



    例えば、2017年までは課税売上高が1000万円を超えていなかったけれど、2018年は課税売上高が1000万円となった場合、2020年からは消費税を計算して納めなくてはならなくなります。



    ただし、その後にまた課税売上高が1000万円未満となった場合には、その2年後の事業年度ではまた消費税の納付義務はなくなります(下の表の2021年度を参照)



  • 2016年:開業1年目:課税売上高600万円
  • 2017年:開業2年目:課税売上高700万円
  • 2018年:開業3年目:課税売上高1000万円
  • 2019年:開業4年目:課税売上高800万円
  • 2020年:開業5年目:課税売上高1200万円(消費税納付義務あり)
  • 2021年:開業6年目:課税売上高1500万円(消費税納付義務なし)




  • なお、開業してから当初2年間は「2年前の課税売上高」がないことになりますから、常に消費税の納税義務はありません。


    事業税




    事業税は、次の計算式で計算して納めます。



    事業税=(総収入金額-必要経費-事業主控除290万円)×税率



    所得税との違いは、青色申告特別控除を計算に含めないことと、事業主控除290万円があることです。



    また、納付した事業税は所得税の計算上必要経費に含めることができます。



    従業員から預かった源泉所得税




    従業員を雇用している場合、従業員の所得税についても雇用主である個人事業主が代わりに計算して納付を行います。



    具体的には毎月支払っているお給料から、彼らが負担するべき所得税の月割り額(概算額)を天引きし、毎月税務署に納めます。



    この「毎月納めている従業員の所得税」のことを源泉所得税と呼びます。



    源泉所得税はあくまでも概算額ですから、正確な金額を1年に1回調整しなくてはなりません。



    この1年に1回、従業員の源泉所得税を正確な金額に調整する手続きのことを「年末調整」と呼びます。



    私も従業員として働いているときには「自分は税金の計算なんてしたことがないけど大丈夫なんだろうか?」と疑問に感じていたものですが、従業員は勤務先の会社が代わりに税金の計算と納付をしてくれていたというわけですね。



    逆に、従業員を雇用する側の立場となった時には、従業員の税金の計算と納付を代行してあげなくてはならないということになります。




    市民税




    日本国内に事業所を置いて事業を行う場合、住民税を負担しなくてはなりません。



    住民税の計算方法は所得税と基本的に同じで、以下の計算式で計算します(ただし、所得控除の金額が異なります)



    (所得の合計額-所得控除)×税率-税額控除



    住民税の税率は所得の金額にかかわらず10%で一定であることが所得税とは異なります。



    また、住民税には所得の金額にかかわらず課税される「均等割(きんとうわり)」という部分があるのにも注意を要します。



    住民税均等割の金額は年額5000円(東京都)です。



    法人企業が納める税金





    次に、法人企業が納める義務がある税金についてみていきましょう。



    法人企業というのは株式会社や合同会社として活動している事業者のことです(個人事業主の方は含まれませんのでご注意ください)



    法人税




    法人企業が負担する法人税は、次の計算式で計算します。



    法人の所得=益金-損金
    法人税の額=法人の所得×法人税率




    益金や損金というのは、考え方は個人事業主の場合の総収入金額と必要経費とほぼ同じです。



    法人税の計算方法




    ただし、法人税の計算上は一部含めることができない経費や、総収入金額に含める必要がない収入がありますから、実際の計算では次のようなかたちで計算を行います。



  • ①総収入金額から必要経費を差し引きして当期利益を計算する

  • ②当期利益に、法人税の計算に含めるものを加算し、含めないものを減算する




  • このような①→②の順番で計算するのは、各項目が次のような関係になっているためです。




  • 法人の所得=益金-損金

  • 当期利益=総収入金額-必要経費

  • 益金=総収入金額+収入に関する加減算項目

  • 損金=必要経費+支出に関する加減算項目




  • これらの前提から、以下のような関係になっていることがわかります。



    法人の所得=(総収入金額+収入に関する加減算項目)-(必要経費+支出に関する加減算項目)



    法人の所得=当期純利益+収入に関する加減算項目+支出に関する加減算項目



    少しややこしいですが、上の計算式を理解しておくと法人税の計算が理解しやすくなります。



    益金算入・損金算入・益金不算入・損金不算入とは?




    なお、法人税の計算に含めなくてはならない収入を計算に含めることを「益金算入」、含めることができる経費を計算に含めることを「損金算入」といいます。



    逆に、法人税の計算に含めなくてもよい収入を差し引きすることを「益金不算入」、含めることができない経費を差し引きすること「損金不算入」



    計算上、益金はできるだけ少なく、損金をできるだけ多くすることが節税につながりますから、当期純利益を計算した後に「益金不算入にできるものはないか」「損金算入にできるものはないか」といった視点で計算を行うことになります。



    消費税




    消費税の計算については、個人事業主と法人で計算の仕方は基本的に同じです。



    納税義務の有無についても「2事業年度前の課税売上高が1000万円を超えているかどうか」で計算するのも同じですが、法人の場合は資本金の金額が1000万円以上である場合には常に消費税課税事業者となることには注意が必要です(この場合、2年間の納税義務の免除は適用されません)



    私が過去にかかわった事業者さんの中には、この資本金に関する条件を知らずに法人設立手続きを進めてしまい、危うく消費税の免除をうけるチャンスを逃しかけた人もいましたので注意してください。



    従業員から預かった源泉所得税




    源泉所得税についても、個人事業主が従業員を雇用する場合と条件は同じです。



    従業員に支払っている毎月のお給料から天引きで源泉所得税を概算で徴収し、年末から年始の時期の1年に1回、正確な金額に計算しなおす手続きを行わなくてはなりません(年末調整)



    法人住民税




    個人事業主が住民税を支払うように、法人企業も都道府県、市区町村に対して地方税を支払わなくてはなりません。



    法人住民税は「法人税割」と「均等割」の2つの合計額を負担します。



    法人税割というのはその名の通り、法人税の金額から計算する住民税で、「法人税額×住民税率」で計算します。



    一方で、均等割は所得の金額にかかわらず常に負担しなくてはならない住民税です。



    均等割の金額は都道府県や市区町村によって微妙に異なり、東京23区の場合は年額7万円となります。



    贈与や相続に関して納める税金




    上では「基本的に毎年納めないといけない税金」について解説させていただきました。



    以下では贈与や相続といった突発的なできごとにともなって納めなくてはならない税金について解説させていただきます。



    贈与税




    他人から財産を贈与された時には、財産を受け取った側の人は贈与税を支払う必要があります。



    贈与税は以下の計算式で計算します。



    贈与税=(1年間で贈与を受けた財産の合計額-基礎控除額110万円)×贈与税率



    なお、2人以上の人から財産を贈与された場合には、そのすべてを合計して計算します。



    相続税




    財産を所有していた人が亡くなった場合、その人の親族が相続人としてその財産を引き継ぐことになります。



    財産を相続した人(相続人)は、相続した財産の額に応じて相続税を負担しなくてはなりません。



    相続税の金額は以下の計算式で計算します。



    正味の相続財産=プラスの財産(現金や不動産)-マイナスの財産(借金など)



    課税標準額=正味の相続財産-(3000万円+600万円×法定相続人の数)



    課税標準額×相続税率-控除額



    ※相続税率と、控除額は課税標準額に応じて法律で税率と金額が変わります。



    なお、相続税に関しては「誰がどのような形で相続をするか?」によって各種の減税措置が認められることがあります。



    例えば、配偶者が相続をするときには「配偶者の税額の軽減」として正味の遺産額が1億6000万円を超えない限りは相続税がかからないといった具合です。



    相続税の納付期限は相続発生から10か月




    相続があった時には相続人が集まって「遺産分割協議」というものを行って「誰がどれだけの財産を相続するのか」について決めなくてはならないのですが、もしこの遺産分割協議がうまくまとまらなかったとしても、相続税の納税期日は別途やってくることに注意しなくてはなりません(相続税の納税期日は相続があってから10か月です)



    私が過去にかかわった相続では、相続人同士のもめごとによって遺産分割協議がなかなかまとまらず、その間に相続税の納税期日がきてしまって相続人それぞれがポケットマネーで納税する…という事態になってしまったことがあります。



    遺産分割協議が完了するまでは遺産に手を付けることはできませんから、「遺産としてまだ何も受け取っていないのに税金だけ納めないといけない」という状況になってしまう可能性もありますから、十分に注意しておきましょう。



    自動車関連で納める税金




    現代の生活では自動車はなくてはならないものですよね。



    自動車を所有したり、新しく購入したりしたときには以下のような税金を負担しなくてはなりません。



  • 自動車を購入したときにかかる税金:自動車取得税

  • 普通自動車を所有している人に1年に1回課税:自動車税

  • 軽自動車を所有している人に1年に1回課税:軽自動車税

  • 車検を受ける際に納付する税金:自動車重量税




  • 不動産関連で納める税金




    人生でもっとも大きな買い物といえば土地や建物(マイホーム)といった不動産の購入を挙げられる人が多いでしょう。



    不動産は購入したり所有したりすることで次のような税金が発生します。




  • 不動産取得税:不動産を取得した時に課税

  • 登録免許税 :不動産を登記する時に課税

  • 固定資産税 :不動産を所有する人に1年に1度課税




  • なお、それぞれの税金計算では、どのような不動産をどのように取得したか(あるいはどのような種類の登記をするか)によって計算方法が異なります。



    不動産売買では大きな金額が動く分、税金の負担も大きくなることが多いので納付漏れなどが無いように注意しておかなくてはなりません。



    なお、不動産の売買によって利益を得たような場合には、すでに上で説明させていただいた所得税(譲渡所得税)や、法人税が課税されるのにも注意しておいてください。



    ペナルティとしての税金




    ここまで説明させていただいたような税金は、すべて一定の期日(納期限)までに正しい金額を計算したうえで納付しなくてはなりません。



    もし申告や納付を期限通りに行わなかったり、納付した金額が少なすぎたりしたような場合には、次のような「ペナルティとしての税金」が課せられてしまう可能性があります。



    延滞税




    本来納めなくてはならない税金を期日までに納めなかった場合、日割り計算の形で延滞税を納めなくてはなりません。



    無申告加算税




    所得税や消費税、贈与税や相続税といった税金は、自分で計算をして税務署に申告を行わなくてはなりません。



    この申告を期限までに行わない場合には無申告加算税という税金がかかります。



    ただし、期限後であっても、自主的に後から申告を行った場合には税率を軽減してもらうことができます。



    過少申告加算税




    納めた税金が本来納めるべき税金よりも少なかった場合、過少申告加算税を納めなくてはなりません。



    ただし、税務署の調査などが行われる前に自主的に修正申告を行った場合には過少申告加算税はかかりません。



    不納付加算税




    不納付加算税は、期日までに納めるべき税金を納めなかったときにかかる税金です。



    延滞税とよく似ていますが、延滞税が日割り計算で負担額を計算するのに対して、不納付加算税は日数関係なしに税率で計算するという違いがあります。



    なお、税務署から指摘される前に自主的に納付した場合には不納付加算税の負担額は半分にしてもらうことができます。



    重加算税




    重加算税とは、もっとも重いペナルティとしての意味がある税金です。



    上で説明させていただいた不納付加算税や過少申告加算税が課税されるケースで、意図的に財産を隠すなど特に悪質なやり方をしている場合には重加算税が加算されてしまいます。



    重加算税は本来の税率×35%~40%と非常に思い税率で課せられますから、脱税などの方法によって税金の負担を少なくしようとすることには大きなリスクがあることを理解しておく必要があります。



    まとめ




    今回は、税金の種類と納税義務のある人、それぞれの税金の意味や簡単な計算方法について解説させていただきました。



    税金は万が一納付漏れといったようなことになるとペナルティが発生してしまいますので、顧問の税理士と相談しながら期日までにしっかりと納付するようにしましょう。

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