任意整理で遅延損害金はカットできる?債務整理するデメリットは?




消費者金融や銀行のカードローンを約束の期日に返済できない場合、遅延損害金として追加の利息を取られてしまいます。



利息だけで見るとそれほど高い利率ではない場合にも、遅延損害金を含めると年利率で30%を超える…といったケースもあります。



今回は、任意整理を選択した場合にこの遅延損害金の扱いがどうなるのか?について解説させていただきます。





任意整理で遅延損害金は免除される?







任意整理とは、債権者(金融機関など)と交渉を行い、借金の負担を軽減してもらうのを認めてもらう手続きのことをいいます。



金融機関が相手の場合、任意整理では「利息の免除」の形で交渉がまとまるケースが圧倒的に多いです。



遅延損害金についても、この利息の免除の一種として、任意整理後には「免除するので払わなくてもOK」の形になることが多いですね。




和解内容は債権者との話し合いで決まる




はっきりと断定的に「こうなる」と書けないのは、任意整理はあくまでも企業とあなたとのプライベートな契約であるため、契約内容は債権者側との話し合いによって決まるからです。



債務整理には任意整理の他に個人再生や自己破産といった方法もありますが、これらは裁判所を通した公的な手続きとなりますので、法律によって借金の減額幅などは厳密に決まっています。



任意整理の場合には「誰が交渉をするか?」によってどれぐらいの借金の減額が認められるかがかなり変わってくることがあるので注意してください。



私が相談を受けたケースでも、借金をした本人が任意整理の申し込みをしたら門前払いをされてしまったのに、司法書士や弁護士を通して任意整理の申し込みをした場合にはスムーズに借金の減額に応じてもらえたケースが少なくありませんでした。



金融機関との任意整理の場合




上で「任意整理の内容がどうなるかは交渉しだい」といった書き方をさせていただきましたが、相手が金融機関である場合には任意整理の結果としてどういう形で借金を減額してもらえるか?は相場が決まっています。



具体的には「利息の免除」の形ですね。



この利息の免除は「過去に発生した未払いの利息や遅延損害金」に加えて、「将来的に発生する予定の利息」についても免除してもらうことが可能です。



簡単に言えば、現在の借金を「無利息の借金」に変えてもらえるわけですね。



無利息の借金とは、毎月の返済額はすべて元本に充当してもらえることですから、借金完済までのスケジュールを大幅に短縮することができます。



私が相談を受けた例でも、利息の負担が大きくてもう何年も返済をしているのに完済できない…といった方も、任意整理の結果1年以内に借金を完済できたこともありました。



金融機関以外との任意整理の場合




上では金融機関(消費者金融や銀行、クレジットカード会社など)と任意整理の交渉を行った場合について解説させていただきましたが、借金の相手方(債権者)は必ずしも金融機関だけというわけではありませんよね。



親族や取引先からお金を借りていたり、事業をされている方であれば未払いになっている買掛金などもあるかも知れません。



これらも法律上は金融機関から借りる借金と同様に「債務」という扱いですから、任意整理を行うことが可能です。



しかし、金融機関が相手ではない場合には、純粋に相手方との交渉内容次第で今後の負担が決まることになります。



この場合には弁護士や司法書士といった専門家のアドバイスを受ける必要性がより高いといえます。



実際、私がかかわったケースでも金融機関以外の債権者との任整理の交渉は難易度が高く、法律的な知識がない人が行ってしまうと余計にトラブルがややこしくなってしまうケースもありました。



金融機関以外の債権者と任意整理の交渉を行う場合には、法律の専門家に相談することをおすすめします。



契約書に「手数料」「割引料」と書かれている場合は?




借金の内容によっては、実質的には利息や遅延損害金であっても、契約書や請求書には「手数料」や「割引料」といった記載になっていることがあるでしょう。



これらについて任意整理をした場合にどうなるか?についてですが、これらは法律的に見ると利息と同じですので、任意整理を行うと免除してもらえるケースがほとんどです(相手方が金融機関である場合)



具体的には、約束した支払日から遅れた場合に日割り計算で発生する負担については、法律上はすべて利息として扱われます。




過払い金がある場合、返済そのものが不要になるケースも




「もう何年も借金を払い続けているけれど、そのほとんどが利息や遅延損害金の充当に充てられていて、元金がぜんぜん減っていない…」



こんなケースでは、過払い金が発生してしまっている可能性があります。



過払い金とは文字通り「間違って払い過ぎてしまったお金」のことで、違法に高い利率で利息を払っている場合に発生するお金です。



いうまでもなく「間違って払い過ぎている」とは「本来は払う必要がなかったお金」の意味ですから、そのお金はあなたのものです。



過払い金の請求を行うと、ときには100万円以上のお金が戻ってくることがありますから、数年間以上借金を支払い続けている…という方は、過払い金の発生をまず疑ってみましょう。



弁護士や司法書士に相談すると、過払い金の計算を正確に行ってくれますから、「借金がたくさんあると思っていたらもう払い終えていた」なんてことも少なくないんですよ。



任意整理した後はどうなる?







任意整理の手続きを行った後は、負担を減らしてもらった借金を取り決めた返済期間にわたって毎月支払いしていくことになります。



上でも説明させていただいたように、金融機関が相手の場合の任意整理では、「利息の免除」の形で借金の負担軽減をしてもらえるケースがほとんどです。



そのため、任意整理後には毎月支払うお金をすべて借金元本の返済にあててもらうことができます。



借金の総額が50万円で、毎月の支払いが2万円としてもらったのであれば50万円÷2万円=25回(2年と1か月)で借金が完済することになります。



利息の負担がなくなると借金はどんどん減っていきます(支払った分だけ減っていきます)から、心理的にも楽に完済まで進める人が多いようです。



和解交渉の対象にしなかった債権者の借金はどうなる?




任意整理の特徴として、「どの借金について減額交渉を行うか」を選べる点が挙げられます。



例えば、消費者金融A社から100万円、銀行カードローンB社から50万円、知人Cから30万円の合計180万円の借金がある場合を考えます。



この場合、個人再生や自己破産では「A社、B社、C」のすべての債権者を相手に借金の減額交渉をしなくてはなりません。



消費者金融や銀行なんかとのつきあいはどうでもいいけれど、知人との信頼関係は崩したくないような場合には、個人再生や自己破産を選択するのは適切でない場合もあります。



一方、任意整理では「A社とB社とだけ減額交渉を行い、Cにはこれまでどおり借金を返済する」といった形も選択することが可能です。



保証人がいる借金と、そうでない借金とで扱いを分けたい場合にもこの点はメリットに働くことがあります。



任意整理は純粋に私的な契約ですから、だれを相手方にするかは自由に選ぶことができるのです。



この点は個人再生や自己破産と比較した場合の任意整理の大きな長所といえるでしょう。



元本も減額してもらうには?




その一方で、任意整理では借金の元本については減額されないのが相場です。



もちろん、任意整理でどのような交渉をするかは自由に決めることができますから、債権者に「元本も減額してほしい」と要望を述べることは可能です。



しかし、金融機関が相手の場合には、このようなケースで「元本については減額は不可」の通知が戻ってくる場合がほとんどです。



債権者側の合意が得られなければ任意整理は成立しませんから、もし元本の減額もしてもらいたい場合には「債権者側の合意が必要ない債務整理の方法」を選択する必要があるのです。



具体的には、個人再生と自己破産のいずれかを選ぶことになります。



どの債務整理を選ぶべきか?の判断基準




個人再生や自己破産では、借金の元本も減額してもらうことが可能です。



ですから、現在のあなたの収入と借金残高を見比べていただき、「もし利息の負担さえなければ、問題なく完済できる」と判断できる場合には、任意整理を選択するとよいでしょう。



一方で、利息を免除してもらったとしても返済が難しい…といった場合には、個人再生や自己破産を選択するとよいでしょう。



いずれにしても具体的なケースを見ながら判断する必要がありますから、どの債務整理を選ぶべきか?について迷っている方は、弁護士や司法書士といった専門家に相談するようにしてください(相談は無料の場合がほとんどです)



任意整理により生じるデメリットも知っておこう




ここまで説明させていただいたように、任意整理を行うと「利息の免除」の大きなメリットを受けることが可能になります。



一方で、任意整理を選択することによるデメリットもあります。



以下で具体的に見ていきましょう。


クレジットカード発行や新規ローンは可能?




任意整理を行うと、金融機関の情報ネットワーク(信用情報機関といいます)上で「この人は過去に約束通り借金を返済しなかったことがある」履歴が登録されてしまいます。



この履歴(事故履歴といいます)があると、新規にクレジットカードを発行することや、新しくカードローンの申し込みをすることが実質的に不可能になってしまうのです。



問題はどのぐらいの機関、信用情報機関に事故履歴が登録されているのか?ですが、任意整理の場合には「借金の完済がされてから5年間」です。



誤解されることが多いのですが、「任意整理の手続きを行ってから5年間」でないのに注意が必要です。



この期間が経過すれば、クレジットカードやカードローンの審査を受けられるようになります。



もっとも、5年間にわたって借金ができない状況続くわけですから、この期間中に「収入の範囲内で生活する習慣」を身に着ける人がほとんどで、カードローンなどはあまり利用されなくなる傾向があります。



現在、どうしても借金で生活する癖が抜けない…といった悩みをお持ちの方は、あえて任意整理などを行って借金癖を解消するのも一つの選択肢といえるでしょう。



家族や勤務先に知られることはある?




任意整理の場合、「どの借金について減額交渉するか」を選択することができますから、借金の存在を家族や勤務先に知られてしまう可能性はかなり低いといえるでしょう。




一方で、個人再生や自己破産では借金のすべてについて調査が行われるほか、自己破産では家族の人の収入や財産の状況についても裁判所がチェックしますから、家族にばれずに手続きするのはかなり難しくなるでしょう。



ただし、家族に保証人になってもらっている借金について任意整理を行ったような場合には、今度は保証人に対して借金の請求がいくことになりますから注意してください。



まとめ




以上、任意整理を選択した場合の遅延損害金の扱いについて具体的に解説させていただきました。



本文でも解説させていただいたように、任意整理では基本的に遅延損害金について免除してもらえるケースが多いです。



しかし、弁護士や司法書士といった専門家を通さずに任意整理の申し込みをした場合には、これと違った扱いをされてしまう可能性があるので注意してください。



任意整理などの債務整理の手続きは、必ず専門家のアドバイスを受けながら進めるようにしてくださいね。



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