個人再生で連帯保証債務に出る影響は?主債務者と保証人の義務を解説





借金に連帯保証人が設定されている場合には、あなたが個人再生を行うことで、保証人にどのような影響が出るのかについて理解しておく必要があります。



多くの場合、保証人には親族や友人などの親しい人が設定されているでしょうから、なんの予告もなく個人再生を行うと迷惑をかけてしまう可能性があるからです。



今回は、連帯保証債務が設定されている借金について個人再生を行った場合に、法律的にどのような影響があるのかについて説明させていただきます。







個人再生で連帯保証債務はどうなる?







借金をした本人(主債務者といいます)が個人再生を行った場合、借金に設定されている連帯保証人は、主債務者に代わって借金を返済する義務を負います。



以下、具体的にどのような方で返済していくことになるのかをくわしく見ていきましょう。







主債務者の債務は減額される




まず、個人再生を行った主債務者については、個人再生を行うことによって借金の負担を減額してもらうことができます。



具体的には、個人再生手続きの開始時点でどのぐらいの借金が残っているかにより、最大5分の1まで減額してもらえます(500万円の借金がある場合、100万円だけを返せばOKとしてもらえます)



連帯保証債務の法律上の意味




借金に連帯保証人が設定されている場合に、その連帯保証人が主債務者(お金を借りた本人)に代わって返済をしなくてはならない義務のことを「連帯保証債務」と呼びます。



連帯保証債務は、ごく簡単に言うと「主債務者と同じ義務を負う」ことにほかなりません。



通常の保証人と連帯保証人とでは義務の内容が異なる部分がありますから、この2つの違いについても理解しておきましょう。



保証人と連帯保証人の違い




借金の契約書を見ると、保証人にも「通常の保証人」と「連帯保証人」の2種類があることがわかります。



結論から言うと、通常の保証人よりも連帯保証人の方が責任が重くなっています。




具体的には、以下の3点で法律上異なった扱いとなっているのです。



 

  • ①催告の抗弁権の有無

  • ②検索の抗弁権の有無

  • ③弁済額の負担

  •  



    以下、それぞれの内容について順番に解説させていただきます。



    ①催告の抗弁権の有無




    催告の抗弁権とは、簡単に言うと「保証人に請求する前に、まず債務者本人に請求をしてください」と反論する権利のことです。




    通常の保証人はこの催告の抗弁権を行使することができますが、連帯保証人はできません。



    そのため、連帯保証人は債権者から求められた場合には、主たる債務者とまったく同じような立場で返済をしなくてはならないことになります(債権者側からみると、債務者本人と連帯保証人のどちらに請求してもOKということです)



    ②検索の抗弁権の有無




    検索の抗弁権とは、「保証人に請求をするなら、まず債務者本人の財産に強制執行をかけてからにしてくれ」と求める権利のことです。



    通常の保証人は検索の抗弁権を行使できますが、連帯保証人は行使できません。



    連帯保証人は、主たる債務者にまだ財産があったとしても返済義務を負うことになりますから、通常の保証人より負担が大きくなります。



    ③弁済額の負担




    保証人が2人以上いる場合には、それぞれの保証人は債務を頭数で割った金額を負担すればOKとされています。



    例えば、100万円の保証債務について4人の保証人がついている場合には、100万円÷4人=25万円ずつ支払えば良いことになります。



    一方で、連帯保証人の場合はこのような頭数での分割負担は認められず、債権者はすべての連帯保証人について、保証債務全額の請求を行うことができます。



    この点でも連帯保証人の負担は通常の保証人より重いといえます。



    主債務者と保証人の弁済額トータルで完済すればOK




    なお、保証人や連帯保証人が複数人ついているといっても、債権者が請求できるのは主たる債務者が負っている債務の金額に限られます。



    例えば、主たる債務者が借りた借金が100万円で、その借金について連帯保証人がついている場合を考えます。



    この場合、連帯保証人がすでに80万円を債権者に対して支払ったとすると、主たる債務者は残りの20万円(100万円-80万円)だけを支払えばよいことになります。



    同様に、もとの借金100万円について、主たる債務者がすでに60万円だけ支払い済みである場合には、連帯保証人は残りの40万円(100万円-60万円)だけを負担すればOKということになります。



    保証人から主たる債務者への求償




    保証人、連帯保証人を問わず、支払った債務分だけ主たる債務者に対して後から請求する(これを求償といいます)ことは問題ありません。



    ただし、主たる債務者が債務整理の方法によって借金の支払いを免れている場合には、保証人(連帯保証人)から主たる債務者への求償はできなくなります。



    保証人も債務整理を検討する必要あり




    上でも見たように、主たる債務者が個人再生などの債務整理によって借金の負担を免除されたような場合には、保証人が支払いを行ったとしても債務者本人に対して「自分が支払った分を返してほしい」とはいえなくなります。



    また、債務者本人が債務整理を行った場合、債権者は保証人に対して一括での返済(分割ではなく)を求めるのが普通です。



    保証人に資力があれば問題はないかもしれませんが、そうではない場合には保証人自身も債務整理を行うことを検討する必要があります。



    場合によってはあらかじめ主たる債務者と保証人が相談して、一緒に債務整理手続きを進めるのが望ましいケースもあります。



    実際、私が相談を受けたケースでも債務者本人が債務整理を行った場合、保証人も返済ができなくなる可能性が極めて高かったため、最初から一緒に手続きをすすめるということが多くありました。



    個人再生を行う人が、別の人の保証債務を負っている場合は?







    個人再生を行う人が、別の人の保証人となっており、保証債務を負っている場合にはやや特殊な処理が必要になります。



    具体的には、個人再生の手続き上「個人再生計画」を作成するときに、この保証債務についても弁済が必要な債務に含めるかどうかの判断が必要になります。



    というのも、この連帯保証債務についてはまだ「顕在化(実際に支払い義務が生じていること)」していないからです。



    保証債務はあくまでも債務者本人が支払いを怠った場合に支払いの義務が現実に生じる債務ですから、この保証債務についても個人再生計画に含めるかが問題となります。



    結論から言うと、この保証債務については個人再生計画に含めるのが実務上の扱いです。



    私が相談を受けた個人再生の手続きでも、将来的に顕在化する可能性がある保証債務については個人再生計画の債務に含めるようにしていました。



    まだ請求されていない債務を個人再生でどう扱うか




    ただし、個人再生計画には含めるといっても、主たる債務者が支払いを約束通りに債権者に対して行っている限りは、保証人に支払い義務は実際に発生しません。




    そのため、個人再生計画に含めた保証債務については「積立」のような形で、万が一支払い義務が顕在化した時に含めるという形をとることが私が関わった個人再生でも多かったです。



    こうしておかないと、実際に保証債務が顕在化した時には一括返済を求められるのが普通ですから、他の債務についても一気に支払い不能に陥ってしまう可能性が高いからです。



    なお、実際にどのような形で債務整理を行うかについては、専門家と具体的な打ち合わせを行いながら進めていくのが適切です。



    上記はあくまでも私がかかわったケースでの扱いですから、それぞれの専門家では別のやり方を提案してくれることもあると思います。



    債務整理はあなたの状況にあった最適な形で行うことが重要ですから、手続きを行う際には必ず専門家(弁護士や司法書士の事務所)のアドバイスを受けるようにしてください。



    まとめ




    以上、連帯保証人が設定されている借金について個人再生を行った場合の法律的な影響について解説させていただきました。



    保証人というのはその名の通り「あなたが借金をきちんと返すことについて保証した人」ですから、あなたが個人再生を行う場合にはあなたに代わって借金の支払い義務を負うことになります。



    場合によっては保証人となっている人も一緒に債務整理を行うことを検討する必要があります。





    どのような形で債務整理手続きを行うべきかについては弁護士や司法書士といった法律の専門家がくわしくアドバイスをしてくれますから、相談することを検討してみてくださいね。

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