健康保険の種類は?サラリーマンの社会保険と個人事業主の違い




健康保険は、病気や怪我をしたときの医療費負担を少なくしてもらうための保険で、公的医療保険と呼ばれます。



公的医療保険には大きく分けて2種類(健康保険と国民健康保険)があり、その人の職業によってどちらの保険に加入するかが決まっています。



ここでは健康保険と国民健康保険の違いや、具体的な保険料の計算方法について解説させていただきます。



健康保険には2種類ある







健康保険(公的な医療保険)には、サラリーマンが加入する「健康保険」と、個人事業主やフリーターの人が加入する「国民健康保険」の2種類があります。



いずれも普段から保険料を納めておくことで、病気やけがになった時の病院の費用が安くなる制度ですから、すべての人がどちらかの制度に必ず加入しなくてはいけません。



以下ではこれら2種類の健康保険制度について、納付の仕方や保険料計算の仕方について解説させていただきます。



①サラリーマンの人が加入する公的医療保険




企業に雇用されている人(サラリーマンの人)が加入するのが健康保険です。



保険料の金額はお給料の金額に応じて決まり、勤務先の会社が保険料をお給料から天引きしてまとめて支払っています。



健康保険料の計算方法




実際に負担する健康保険料の金額は、以下の計算式で計算します。



お給料の金額(標準報酬月額)×健康保険料率×2分の1=健康保険料



健康保険料はあなた自身と勤務先の企業が折半で負担しますので、最後に2分の1をかけます。



標準報酬月額とは?




ここでいう「お給料の金額」は、標準報酬月額といいます。



標準報酬月額は毎年4月~6月の3か月の間に受け取ったお給料の平均額(合計して3で割った金額)を、標準報酬月額表に記載されている「等級」に分けて金額を決定します。



例えば、4月に30万円、5月に35万円、6月に32万円を受け取った人の場合、お給料の平均額は(30万円+35万円+32万円)÷3=32万3333円です。



この金額を標準報酬月額表に当てはめると、23等級で32万円となります。



健康保険料率




標準報酬月額の金額が32万円とわかりましたので、この金額に健康保険料率をかけ、2分の1をかけるとその人が負担する(つまりお給料から天引きされる)健康保険料の金額がわかります。



健康保険料率は毎年改定されてますが、平成30年4月~は9.90%です(東京都の場合)



ただし、年齢が40歳以上65歳未満の人は健康保険料に介護保険料を上乗せして負担しなくてはなりません(健康保険料と一緒に納めます)



その場合の保険料率は、健康保険料率と介護保険料率を合算して11.47%(平成30年4月~)となります。



上の例では標準報酬月額が32万円でしたので、結論的にこの人が負担する保険料率は以下のようになります。




標準報酬月額32万円の人の健康保険料

  • 40歳以上65歳未満の場合:32万円×11.47%×2分の1=1万8352円
  • それ以外の場合:32万円×9.90%×2分の1=1万5840円



  • ②個人事業主が加入する公的医療保険







    サラリーマンの人が健康保険に加入するのに対して、個人事業主やフリーターの人は国民健康保険に加入します。



    国民健康保険は世帯合算で納めるという特徴があります。



    夫が個人事業主で、妻はパートに出ているといった場合にはこの2人の所得を合算して納める国民健康保険料の金額を計算することになります。



    国民健康保険料の計算(所得割)




    国民健康保険料は、「所得割額」と「均等割額」の2つの合計額を納めます。



    所得割の計算方法は以下の通りです(ただし、料率は居住している市区町村によって微妙に異なります)



    国民健康保険料の所得割=所得金額-基礎控除33万円×(医療分7.32%+支援金分2.22%+介護分1.68%)



    例えば、夫の事業所得が600万円、妻のパートによる給与所得(健康保険に加入していないとします)が年間100万円ある場合の国民健康保険料所得割は、



    (600万円+100万円-基礎控除33万円)×(7.32%+2.22%+1.68%)=74万8374円となります。



    国民健康保険料の計算(均等割)




    国民健康保険料の均等割は、「世帯内の加入者数×(医療分3万9000円+支援金分1万2000円+介護分1万5600円)」で計算します(介護は40歳~64歳の人だけ計算に含めます)



    例えば、45の夫、42歳の妻、10歳の子供の3人家族の場合、国民健康保険料均等割の金額は、夫婦2人×(3万9000円+1万2000円+1万5600円)+子供1人×(3万9000円+1万2000円)=13万3200円+5万1000円=18万4200円となります。




    この世帯の国民健康保険料は、所得割74万8374円+18万4200円=93万2574円となりますが、国民健康保険料の上限額は年間で93万円(所得当たりの金額)ですので、納めるべき金額は93万円となります。





    オーナー経営者の健康保険はどうなる?




    私が相談を受ける方で誤解されていることが多いのが、「自営業者はみんな国民健康保険にしか加入できないのでは」という疑問です。



    自営業者とは企業に属さず、自分で事業を営んでいることをいいますが、自営業者であっても事業を法人化している場合には国民健康保険ではなく、健康保険に加入することができます。



    具体的には、法人化した事業を雇用主として、オーナー経営者として役員になるという仕組みです。



    役員も従業員の一種ですので、雇用者が加入する健康保険に加入できるようになるというわけです。



    なお、この場合に保険料は法人とオーナー経営者が2分の1ずつ負担しますので、2分の1については法定福利費として法人の必要経費とすることができます。




    健康保険と国民健康保険はどちらがお得?




    私が相談を受ける例で多い質問が「健康保険と国民健康保険のどちらがお得か?」です。



    大前提としてこの2つのどちらかを選択できるケースは、個人事業主の方が法人化するか、あるいは個人事業主のまま活動するかを選択するなどの場面に限られます(サラリーマンの人はそもそも国民健康保険を選択することができません)



    どちらがお得か?ですが、結論から言うと社長個人が法人から受け取る給料の金額によって判断はことなります。



    上でも説明させていただいたように、国民健康保険料は年間所得800万円程度で93万円の上限額になります。



    給与所得で同額の800万円の所得を得るためには、法人からの給与が1000万円程度出すことになりますが、この場合の健康保険料は月額9万5201円(合算額)で年額にして114万2412円となります。



    国民健康保険料と比べるとかなり高くなりますが、どちらが得か?を比較する場合には健康保険料だけではなく、年金や税金の負担額についても検討する必要があります。



    これらの内容を踏まえてどちらが得かを判断するためには、個別の状況(営んでいる事業の内容や、従業員の数など)を考慮する必要がありますから、顧問税理士などに相談が必要です。



    私が実際に相談を受けた例をもとに考えると、一般的に個人事業主としての課税所得(決算書上の利益)が400万円を超えたあたりから法人化を検討するのがメリットが大きくなることが多いです。



    健康保険料と国民健康保険料の納付方法




    健康保険料、国民健康保険料それぞれの納付方法についても確認しておきましょう。



    健康保険料は勤務先の企業があなたのお給料から毎月分を天引きし、翌月の25日までにすべての従業員の保険料を合算して納付します。



    国民健康保険料は、年間9回(4月・5月・6月以外の月末日が納期)に分けて納付します(市役所から納付書が毎年贈られてきますので、コンビニなどで支払いを刷れば問題ありません)





    まとめ




    以上、公的医療保険の種類として、サラリーマンの人が加入する健康保険と個人事業主の方が加入する国民健康保険の違いについて解説させていただきました。



    どちらの公的医療保険の方がお得か?については本文でも解説させていただいたように収入の金額によりますが、基本的にはサラリーマンの方が加入する健康保険の方がメリットが大きいといえます。



    個人事業主として活動している方も、事業を法人化することで健康保険に加入することが可能になりますから、事業がある程度軌道に乗ってきたら法人化を検討してみるとよいですね。



    事業を法人化することのメリットについては顧問税理士に相談するとともに、実際に手続きを行う際には司法書士に依頼することが多いです。


    コメントを残す

    サブコンテンツ

    このページの先頭へ