確定申告は税理士に丸投げでOK?メリットデメリットや費用相場




面倒な確定申告の作業…この作業をやっている時間があったら1件でも多く営業先を回れるのに…。



こんな風に不満をお持ちの自営業者の方もひょっとしたらおられるかもしれません。



そんな場合は確定申告の作業を税理士に丸投げしてしまうのも一つの選択肢です。



今回は確定申告を税理士に丸投げする場合のメリットやデメリット、かかる費用相場などについて解説させていただきます。




確定申告は税理士に丸投げしても問題ない?





結論から言うと、事業の規模がまだ小さい場合には税理士に確定申告を丸投げしても大きな問題はありません。






特に開業した初年度で社長のトップセールスでどんどん売上を立てていかないといけない、という状況の場合には経理作業などの直接的に売上を生まない仕事はどんどん外部に任せてしまうのが望ましいでしょう。



確定申告は事業の状況を1年に1度振り返るためにも大切な作業ですが、押さえておくべきポイントを押さえておけば、細かい作業は専門家(税理士)に丸投げしてしまうのが効率的です。



自分でやらないといけないことはどんなこと?




確定申告を税理士に丸投げすると言っても、以下のような作業については事業主自身(または近しい親族の方)がする必要があります。




  • ①必要書類の準備

  • ②大まかな事業内容を税理士に伝えること




  • 以下、順番に説明させていただきます。



    ①必要書類の準備




    確定申告を税理士に丸投げする場合には、以下のような必要書類をまとめて税理士に渡す必要があります。




  • 事業で使っている預金通帳

  • 売上に関する資料(得意先管理帳や請求書のひかえ)

  • 仕入れや経費に関する請求書

  • 各種の控除証明書(生命保険や地震保険など)

  • 社会保険料の支払額がわかる資料

  • その他税申告に必要になる書類(住宅ローン控除を受ける場合の残高証明、医療費の明細など)




  • 多くの税理士事務所では初回の相談時に事業状況を確認しながら「こういう書類を用意しておいてください」という説明をしてくれます。



    求められた書類をスムーズに残らず渡すことが税金の負担減につながることもありますから、担当してくれる税理士事務所のスタッフと相談しながら必要書類を準備するようにしてください。



    ②大まかな事業内容を税理士に伝えること




    税理士は売上や経費などの資料さえあれば最低限の確定申告の作業を行うことができますが、事業の具体的な内容を伝えておくとより有利な節税の方法をアドバイスしてもらうことができますよ。



    例えば、海外に対しての売上が多い場合事業者の方であればひと手間かけるかどうかで消費税の還付を受けられるか受けられないかが決まることもあります。



    また、事業の内容から「ひょっとしてこういう経費も発生しているのではありませんか?」といったように専門家の目を通して節税につながる助言を受けることが可能になるのです。



    自分の事業がどのようなお客さんに対してどういうものを販売していて、どのような経費が発生しているのか?ということについてもっとも正確に把握しているのは事業主ですから、事業で利益が発生する仕組みについては簡単に税理士には伝えておくようにしましょう。



    確定申告期限ぎりぎりでも問題ない?






    確定申告を税理士に丸投げする場合には、少しでも早いタイミングで相談に行くことをおすすめします。





    確定申告は毎年2月16日~3月15日の間しか手続きを行うことができませんから、この期間中は個人事業主のお客さんが税理士事務所に殺到する…というのが恒例になっています。



    私が所属していた税理士事務所でも毎年正月が明けてから3月半ばまでは繁忙期でした。



    正直、確定申告期限ぎりぎりのタイミングで相談に来られてしまうと、別のお客さんの対応を優先せざるを得ませんから、作業が後回しにならざるを得ません。



    税理士事務所といえども人間が運営している組織ですから、ぎりぎりのタイミングになると作業ミスが発生する可能性もあります。



    税理士事務所の作業ミスは、すなわち事業主が負担する税金のアップ…ということですから、なるべく余裕をもって相談するのが適切です。





    税理士と顧問契約するメリットとデメリット






    ここまでは確定申告の作業を丸投げすることを前提に必要な作業や費用相場について解説させていただきました。



    事業の状況を正しく把握し、選択できる節税方法の幅を増やすためにも、事業の状況が大きくなってきたタイミングで税理士との顧問契約(毎月や数か月に一回、税理士に帳簿をチェックしてもらう契約)を結ぶことも選択肢にいれるのが適切です。



    以下では税理士と顧問契約を結ぶメリットやデメリットについて解説させていただきます。



    メリット




    税理士と顧問契約を結ぶメリットとしては、まず節税のために選択できる方法をいろいろと提案してくれることが挙げられます。



    開業間もない事業者の方の場合、事業をスタートするために必要になった出費の経費処理や、消費税の課税事業者を選択するべきか否かの判断はとても重要です。



    また、日常的に経費として処理できる出費について相談できるほか、節税につながるお金の使い方(個人事業主の方であれば小規模企業共済などの公的制度、場合によっては法人化など)などの方法をアドバイスしてもらうことができますよ。



    金融機関からの信頼性が高まるのも大きい




    また、税理士事務所と顧問契約を結ぶことによって、金融機関(個人事業主の方であれば地方銀行や信用金庫、日本政策金融公庫など)からの信頼感が高まるのもメリットです。



    金融機関は事業者からの融資申し込みを受けたときには、まず決算書の内容をチェックすることから始めます。



    この決算書を作成したのが開業間もない事業者自身である場合と、資格を持った税理士である場合とでは、当然後者のほうが信頼感が高くなります。



    税理士によっては金融機関の窓口に出向いて融資交渉に同席してくれることもありますから、資金繰りを有利に進めたい事業者の方は税理士との顧問契約を結ぶことをおすすめします。



    助成金や補助金に関するアドバイスを受けられる




    最近では会計ソフトが優秀になってきたこともあり、税理士事務所も「単なる経理屋さん」では生きていけなくなっています。



    そのため、会計に関するサービス提供をメインとしながらも、その他にも付加価値の高いサービスを行うべく努力している税理士事務所も少なくありません。



    助成金や補助金に関するアドバイス業務もその一つの例で、中小企業とのやり取りが非常に多い税理士事務所では申請業務に関するノウハウをサービスとして提供している場合もあります。



    助成金や補助金というのは要するに「国や都道府県からただでもらえるお金」ですが、申請に関する作業が非常に煩雑で経験のない方には難しい…という側面があります。



    特に開業直後の事業者には助成金や補助金は利用できるものが多くありますから、これらの相談を税理士にしてみるのも良いでしょう。



    事業規模が大きくなってくると確定申告の丸投げも難しくなる



    売上の規模がまだ小さくて得意先の数も数社程度、従業員もまだいない(家族従業員だけ)…という状況であれば確定申告の時(年に1回)税理士に相談に行くだけでも税金に関する事務は十分回していくことが可能でしょう。



    しかし、得意先がどんどん増えてきて、従業員も雇い入れたという状況になると、年に1度の確定申告だけ税理士に依頼するというかたちではなかなか厳しくなってきます。



    私の場合、かなり大きな事業規模になっている事業者さんでも相談に来られるのは年に一度だけ…という方も多くかかわらせていただきましたが、ぎりぎりのタイミングになると作業ミスが発生する可能性もゼロではありません(税理士事務所も人間が運営していますので)



    税理士との顧問契約が必要になる具体的なケース



    特に、従業員を雇った場合には彼らの給与計算に関する作業や、社会保険加入についての手続きなどもしっかりと行う必要が出てきます。



    また、得意先の数が増えてくると売上の計上漏れなどが発生しやすくなります。



    売上計上漏れは税務調査などでも重点的に私的されるポイントですから、できれば専門家の目を通してチェックが入る体制を整えておきたいところです。



    そのため、初年度の確定申告の手続きを税理士に依頼したタイミングで、翌年以降の経理に関する仕事の体制を整えることも検討してみるとよいでしょう。



    会計ソフトを導入すれば日常の経理作業はそれほど難しいものではありません。



    自社で処理した経理作業を1か月に一回などの形で税理士にチェックしてもらう顧問契約を利用することも検討してみてください。



    デメリット






    税理士と顧問契約を結ぶデメリットとしては、やはり費用面での負担が発生することです。



    顧問契約を結んだ場合、毎月2万円~5万円程度の顧問料を毎月支払うことになります。



    これらに加えて1年に1回は決算料として、毎月の顧問料の3か月分程度が発生するのが一般的です。



    事業規模がまだ小さい事業者の方の場合、必ずしも負担している顧問料に見合ったメリットを税理士から得られるかどうかは微妙な場合もあります。






    売上は1000万円前後、従業員も家族以外にはいない…という場合であれば、基本的には税理士との顧問契約は必要ないでしょう(年に1回、確定申告の時だけ丸投げする、という税理士の利用の仕方でも問題ないです)





    ただし、将来的にどんどん事業を大きくしていきたいという経営者の方の場合、経験豊富な税理士の視点で自分の事業を評価してもらい、アドバイスをしてもらうことが事業の成長に役立つこともあります。




    税理士の選び方のポイント




    どのような税理士と顧問契約を結ぶか?は今後の事業の成長にとってとても重要な問題です。



    事業の成長の要所では、どのような選択を行うかによってその後の事業の状況が左右されることも珍しくありません。



    そのような重要な決断をするときに相談に乗ってくれるのが税理士ですから、どの税理士と顧問契約を結ぶか?の判断は慎重に行うようにしましょう。



    具体的には、以下のようなポイントを見ながら税理士を選んでみるとよいでしょう。



    ①資格を持った税理士自身が担当してくれるか




    税理士事務所に所属しているスタッフは必ずしも資格を持った税理士ばかりではありません。



    小さな規模の税理士事務所では代表の税理士自身が担当してくれることが多いですが、スタッフ数10名程度の規模の税理士事務所では「社会に出たての税理士試験の受験生」のような若いスタッフも少なくないというのが実際のところです。



    基本的には経験のあるスタッフがフォローをするでしょうから確定申告の作業などは任せても問題ないと思いますが、顧問契約を結ぶとなると物足りなくかんじることもあるでしょう。



    税理士事務所に相談に行った際には「先生ご自身が担当してくれますか?」といったような形で「経験を持った人に担当してもらいたい」ということをしっかりと伝えておくとよいでしょう。



    ②事業の内容に関心を持ってくれるか




    税理士というのは中小企業経営にとても強い関心を持っているのが普通です(彼ら自身も中所企業経営者なので)



    しかし、業界に入って間もないスタッフに担当してもらう場合には「経理についてはくわしいけれど、その他のことは社会人経験も含めてさっぱり…」という人に担当される可能性もあります。



    上でも説明させていただいた通り税理士事務所には事業経営にとって重要なタイミングで相談相手になってもらわなくてはなりませんから、担当してもらう相手については「経理の仕事そのものに加えて、事業経営に強い関心があるか」もチェックしておくとよいでしょう。


    ③資金繰りのアドバイスを積極的にしてくれるか




    上でも説明させていただいた通り、税理士事務所の中には金融機関との融資交渉や、助成金や補助金申請に関するノウハウをサービスとして提供してくれるところもあります。



    余裕のない事務所だと高額な顧問料を払っているにもかかわらず、経理のチェックや確定申告の作業以外は何もやってくれない…というケースも少なからずありますから注意してください。



    ④事務所の規模




    税理士事務所というのは基本的に小さな組織(税理士本人とスタッフ数名)であることが多いですが、中にはスタッフ数20名以上を超える規模の税理士事務所もあります。



    大きな事務所は料金がやや高い傾向がありますが、その分サービスが定型化されていて安心感があるというのもポイントです。



    最も重要なことは…




    税理士を選ぶときのポイントについて説明させていただきましたが、何よりも重要なことはやはり社長と税理士の性格的な相性です。



    今後、顧問契約を結ぶ場合には毎月顔を合わせて経営に関するいろんな相談をしていくことになりますから、「性格的に合わないな…」という相手とは長期的に見てやはりうまくいかないものです。



    仕事をきっちりとしてくれること(そのためのチェックポイントは①~③で説明させていただいた通りです)は大前提ですが、そこをクリアしているのであれば最終的には「話をしたときのフィーリング」で税理士を選ぶとよいでしょう。



    確定申告を税理士に丸投げした場合の費用相場






    税理士事務所に確定申告を丸投げした場合の費用相場というのは、事業の規模や業種によってまちまちです。



    というのも、顧客の事業内容によって確定申告の作業負担の大小はまったく違ってくるからです(当然、作業負担が大きい業態の方ほど費用はアップする傾向があります)



    私が所属していた税理士事務所では、おおよそ以下のような費用で確定申告の代行を受注していました。





  • 年間の売上高が1000万円未満:10万円(記帳を自力でされてる場合は半額。以下同じ)

  • 年間の売上高が1000万円~3000万円:15万円

  • 年間の売上高が3000万円~5000万円:25万円

  • それ以上の売上高:発生する作業内容を相談しながら決定




  • デザイン業やライター業といった確定申告の作業そのものがとても簡単な業者さん、あるいは仮想通貨取引や株式投資で儲かったから確定申告が必要というサラリーマンの方などの場合はもっと安い費用で受けているケースもありました。



    逆に、従業員さんの数が多い業者さんや、棚卸商品がたくさんあるような業者さんは料金が上記より割高になるということもあります。



    まとめ




    今回は、確定申告を税理士に丸投げする場合の注意点や費用相場について解説させていただきました。



    事業の状況をしっかりと把握しておくことは事業主として大切なことですが、そのために大切なビジネスチャンスを逃してしまっては本末転倒です。



    場合によっては確定申告は税理士に丸投げしてしまって、自分は事業に集中するという仕事の仕方も選択肢に入れてみるのが有効なこともありますよ。



    事業を始めてすぐの頃というのは社長は売上を発生させるのに集中したほうが適切な場合もありますから、経理については知識がなくて確定申告に関する作業負担が大きすぎる…という事業者の方は、税理士に丸投げすることも選択肢に入れてみるとよいでしょう。



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